TOMIOKA WALKER
100年を超える地元に愛されるお店を探して旅をする58歳独身のトミー岡です。
今回は世界遺産のある街、群馬県富岡市にやって来ました。
早速、道行くJKに声を掛けると、「扇屋」さんの「生クリーム大福」が美味しいそうな。
ムムム、甘味。たまらん。
もう一組声を掛けてみよう!
おっ!! またもやJKが!
お嬢さん、富岡でおすすめのお店はありますか?
またもや「扇屋」さん。これは行くしかない!
店内に入るとショーケースに並んだたくさんの大福たち。
他にもたくさんのお菓子が!
壁には白黒の古い写真が飾ってある。
もしかしてここは100年企業か!!
すいません、ここは明治からあるお店ですか?
な、なんと明治30年の創業!!素晴らしい。
一つ大福を頂きますか。ここは渋く「生クリーム大福(コーヒー)」
出てきた大福は冷凍してある。30分、40分後が食べ頃らしい。
富岡製糸場を見学している間にいい頃合いになるだろう。
ムムム、完璧!
地元のJKが愛するこの大福。昔のJK(女工)も愛でていたのかもしれない。
と、ふと妄想にふける。
さて世界遺産を見に行くか。
JK今昔物語。地元に隠された100年。
お菓子の扇屋
扇屋の歴史
お菓子の扇屋は富岡市で明治30年創業、現在は4代目を数える老舗の菓子舗。製菓業となる前、髪飾りを作っていた時代を含めると江戸時代から富岡の地に根付いている。
昭和初期には森永ミルクの特約店となり、ドライミルクの製造も手掛けていた。
昔ながらの伝統を守りながらも、新しい感性を取り入れた和菓子や洋菓子を製造・販売している。
絶妙なコラボ大福
お餅の中に色々なあんこやフルーツ・生クリームが入った大福が扇屋の一押し。
半解凍で食べるのがオススメなので、冷凍状態で提供。
解凍のため、30分~40分食べるまでに時間がかかる。
扇屋で大福を購入後に富岡製糸場に歩いていくと、ちょうど到着したころには食べ頃に。
珈琲・抹茶・ブルーベリー・小倉・チョコ・チーズ・かぼちゃ
・モンブラン・ティラミス・ラムレーズン・ショコラ・黒ゴマの12種と種類が豊富。
生クリーム・あんこ・フルーツの和洋折衷、絶妙なコラボがたまらない一品。
丹精込めてつくられるレモンケーキ
扇屋の主人が丹精込めてつくるレモンケーキ。
出来たての良い香りが食欲を誘う。
一日じっくり時間をかけてケーキ置いて冷ますことにより、さらにおいしさが増す。
そのあとに、チョコレートをつけてお店では提供する。
昔ながらのレモンケーキ、扇屋に来たからには絶対に食したい一品だ。
女子高生に訊いた扇屋
「やっぱ扇屋!フルーツ大福はもう食べました?」
学校帰りの2人組は、そろって勧めてくれた。
扇屋― 肉屋の店先でコロッケの揚がるのを待っていた3人組から聞いたのと同じ名前だ。
地元でお勧めの美味しいもの、と訊いたのだが、
高校が統合される前は学校帰りにはほぼ毎日食べていた、とはにかみながら話してくれた。
毎日? そりゃ誰だって食べたくなる。
お店の人「工場の煙突、見ますか? 古~いんですけどね。」
女将さんについて、店の裏手にまわってみる。
扉に書かれた「工場」の文字が違う。歴史を感じる旧字体。
女将さんの呼び方も、「コウバ」だ。
見上げると、レンガ造りの煙突が見えた。
そこに白いレンガで「扇屋」とある。
上にある“仁”の文字は初代当主の名前から一文字をとったー
そして、明治30年の創業から伝え聞いている歴史を女将は話してくれた。
くつろぎスペースのある店内でかりんとう饅頭をほおばりながら、話は尽きない。
We hope to see you again
こうして私、トミー岡のちょっと見おかの旅は終わった。
扇屋が店を構えていた仲町通りは、電線地中化の工事が行われていた。
また富岡を訪れる時には、この風景も新しくなっていることだろう。